忘れたころに咲く桜、普段着の須坂を見て欲しい

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現在東京暮らしの桜子と善光(よしみつ)の二人。

桜子は生まれも育ちも信州須坂、善光は東京の都会育ちだ。
桜子は休みを利用して今回の善光寺御開帳に出向き、併せて地元の須坂も善光に見て欲しかった。

「ねっ、善光、何か見てみたいところある?」

「そうだな、善光寺はきっと観光客がすごいだろ。
だから、ちょっと落ち着けるところがいいな。
それに、せっかく桜子の田舎へ行くんだから、桜子が育った普段着の地元が見たいな。」

そんな会話の後、ふと桜子の頭に浮かんだのが須坂の桜だ。
それは人で溢れかえっている臥竜公園の桜やガイドブックにのっている花見スポットではない、普段着の町の桜並木だ。

桜子が育った家の近くにある桜木町通りの桜だった。

通りには14本の桜が植えられている。全てが八重の桜だ。
八重の桜は染井吉野が散ってからやっと咲き始める。
世の中の桜ブームが去ってから、ひっそりと静かに咲く八重桜を桜子は善光に見せたいと思ったのだ。

関山、手毬楼など数種類の八重桜があり、通りの和菓子屋ではこの関山の八重桜を使ったお菓子も作っている。
それに、何よりも「花より団子」、八重桜の下のベンチで二人でお団子をいただくのもいい。
期間中餅店に申し出れば、特別なお菓子も食べさせてくれるらしい。

駅前だから近くには飲食店も多い。小さい頃から通ったうどん屋さんで定番の肉うどんを食べたくなった。

500円でおかわり自由の居酒屋でランチでもいい。

桜子はぽかぽか陽気の春の日差しの下、善光と八重桜を見ながらゆっくりと歩く姿を想像して、やっぱり須坂が好きなんだな、とあらためて感じていた。

【期間中のサービス】

御開帳期間中、コモリ餅店に予め「この情報を見て連絡をしています」とお伝えください。お越しになられた当日、おススメのお菓子を提供させていただきます。(八重の桜の桜木町通りにあるコモリ餅店より)

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